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東大体操部部員日記

東大体操部の部員による日記です。

技の狂いを…

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おはようございます、三年の中津川です。

 今週末はいよいよ七大戦です。早いもので、入部してからもう三回目の七大戦となります。七大戦と言えばやはり多くの部員にとっては引退試合という位置づけにあり、思い入れの大きい方も多いのではないかと思います。
現在の四年生は、私が入部してから最も長いこと一緒に練習してきた先輩であり、一人一人の先輩から本当に数え切れないくらいたくさんのことを教えてもらい、普段の練習以外でもいろいろとお世話になってきました。先輩方が悔いを残さず出せる力を全て出し切って最高の引退試合にできることを心から願っています。
 また、初めての大会となる一年生は自分の技をするだけで精一杯になってしまいがちだと思いますが、「自分が何の技をするか」だけではなく「誰と一緒に試合に出ているか」ということを意識して試合に臨めるといいと思います。体操競技は、演技をするとき自分一人だけなので個人競技っぽいですが、せっかく普段一緒に練習しているので、個人出場であっても種目を一緒に回る班員・応援席含めて同じチームのメンバーである団体競技だと思えるといいですね。

さて、前回の部員日記では二年西川が体操における恐怖心について語っていました。私はたまに怖いもの知らずだと言われることがありますが、実際は人並みにビビっております。特に最近は鉄棒のツイスト、跳馬のツカハラとび、床の猫宙(後ろとびひねり前方宙返り)の三つが三大恐怖技でした。
 今でもはっきり覚えています、初めてトレ体でツカハラを回した時は助走中に恐怖のあまり足がガクガクしだして自分の身体が制御不能になり前後不覚で失禁寸前のまま回転してマットに墜落しました。鉄棒のツイストは、1/2スイングの時点では全く怖くないのですが、支持振り出しからいざバーを越えようとするときの最大瞬間的な怖さがツカハラよりもさらに5倍くらいあり、恐怖で奥歯をガタガタ言わせながら白目を剥いて思考停止してしまい、途中から「ただ鉄棒を握るだけの機械」と化していました。でも、実はそんな恐怖心も心のどこかでは少し楽しんでいるところもないわけではなくて、数をこなしてようやくこの二つの技の恐怖に慣れてきた最近では恐怖がほどよい快感に変わってきたところです。(残る猫宙は……10月になってから直します。)
 この、しらふでは到底やってみようとさえ思わないようなおっかない技を体育館特有の雰囲気に任せて練習するときの"絶妙な怖さ"が、体操競技の練習の醍醐味の一つではないでしょうか。西川は、心のゆとりが恐怖心をなくす特効薬だと言っていましたが、逆に心のゆとり?(というか「もうどうにでもなれ」的な開き直り)で恐怖心を楽しむというのも有効なのではないかと思います。

 もう一つ西川が話題に出していた、「慣れたと思っていた技が突然怖くなってしまう現象」に関連して、「技の狂いを喜べ」という言葉を紹介したいと思います。これは日紫喜さんに教えてもらった言葉だったと思います。有名な言葉のようですが、調べてみても最初に誰が言い出したのかはわかりません。
なんとなくで出来ていたと思っていた技ができなくなったとき、この狂いはその技をもうひと皮むけさせるための大きなヒントになっている、というような意味ですね。私は技が狂うとついつい頭に血が上ってしまいがちなので、いつも心に留めておきたい言葉です。
 大会直前のわれわれ東大体操部、特に四年生の先輩方は今この時期に技が狂ったところで直す時間がないため全く喜べないと思うのですが、この言葉の意味するところ自体は何も体操だけに限らないように思います。引退してからの今後において「やべー、人生ちょっと狂った」と思うことがあっても、その狂いを喜んで受け入れることでより良い道を見つけられることもあるんじゃないでしょうか、とあまりにも差し出がましい贈る言葉を思いついたところで今回の部員日記を終えたいと思います。

たいへん僭越ながら長々と文章を書いてしまいすみません。ここまでお読みくださった方々どうもありがとうございました、皆さんガンバです。

三年 中津川