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東大体操部部員日記

東大体操部の部員による日記です。

スポーツ栄養学

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こんにちは。2年の飯島です。

 自分はいつも明治大学の前を通って通学しているのですが、ちょっと前には受験生の列とよくすれ違いました。自分が受験生だったのがもう2年前のことなんて、本当に懐かしいです。同時に、次の新歓で入ってきてくれる子たちにとって自分の代は、自分たちが入ったときの3年生の代のような存在なんだなと思いとても驚きました。やばすぎる。しっかりしなきゃなぁと思います。
 先日から成長したことはあんまりないですが、グループが刻々と近づいてきています。通し練をしなきゃなと思いつつ特にゆかと平行棒は通しが不安だけどできていないです。頑張ります。
そういえば、2月頭にやっと今年の目標を決めました。体操の目標も、そうじゃないのもです。去年はそもそも立てたのかすら覚えていないですね、、、。多分立てていないんですけど今年の目標は年末にちゃんと振り返られるようにしたいです笑。

さて今日は、先日予告した通りスポーツ栄養学の授業で学んだ内容で役に立ちそうなものを少し共有出来たらなと思います。
 今日の話の科学的な部分は全て、スポーツ栄養学の教科書だった
寺田, 新. (2024). スポーツ栄養学 第2版 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる. 東京大学
出版会.
に基づきます。第2版は去年、Aセメスターが始まる直前に出版されたものなので結構新しいです。よかったら買ってみてください。
 いくつかテーマを分けてお話しします。
①日常生活のエネルギー摂取の話
・エネルギーの消費
・ダイエットについて
②栄養摂取の話
・炭水化物
・たんぱく質
・脂質
 興味のあるところだけでも読んでみてください。自分の文章はおいておいて、内容は結構面白いです。ちなみに、今回は実用的な情報に主に焦点を当てていて、細かいメカニズムや明らかにトップアスリートしかしなさそうで個人的に面白いと思っていない話は省略するところも多くある予定なので、気になったら調べるなり聞くなりしてもらえればと思います。

①日常生活のエネルギー摂取の話
・エネルギーの消費
 我々は普段の食事で、消費した分のエネルギーを摂取しています。エネルギー消費は3種類に分けられていて、寝ていても消費されるエネルギーを基礎代謝量、食事の消化に使われるエネルギーを食事誘発性熱産生、運動して消費されるエネルギーを活動時代謝量と言います。それぞれ消費エネルギーの3割、1割、6割程度を占めるとされています。個人差もあるし、環境による違いもあります。これにちなんだ話として、足の細さがあるんですね。マラソンとかで、アフリカとかの選手が走るとき、めっちゃ足細くないですか。この理由は環境にあります。アフリカの赤道に近い国の人々はとても暑い環境で暮らしているため、受け取る熱の量が多いです。足を細くすることは、体の体積に対して表面積を大きくすることにつながり、平常時から熱放散を多くする(=基礎代謝量を大きくする)ことになる、ということのようです。アフリカの選手はこの細く軽い足を使って走ることで、足を動かすエネルギーが少なくて済み、早く走れるという説もあるそうですよ。エネルギー消費、熱放散の戦略がスポーツに活きてくる例でした。

・ダイエットについて
 ところで、普段我々が太るというときって、単に「体重が増えた」という意味の時と、「脂肪が増えた」という意味の時、2つの場合があると思います。あるいはその両方の時も。より日常的には、体重が増えたという意味がよくつかわれると思うのですが、そもそもこの体重の増加は、エネルギーの収支のバランスが崩れることで起こります。単純にいうと、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ったら、それが脂肪となり体重の増加につながります。じゃあ体重の増加=脂肪の増加かというと、そういうわけでもありません。筋肉には、73%程度の割合で水分が含まれているため、脂肪より重たいという特徴があります。そのため、トレーニングや栄養摂取を適切に行った場合、脂肪が落ちた分以上の筋肉がつき、体重が増加することは、エネルギー収支が適切であっても起こりうることです。太るというのはなかなか奥が深い。

 また、特に運動している我々は、食事に気を遣うことも多いと思います。単純に摂取エネルギーを減らして、太らないようにしようということですね。ここにもいくつか注意するべき点があります。まず、食事を抜いたり、偏った時間にだけ食べるという方法。これは、逆に体脂肪率の増加が起こりやすくなる危険があります。食事を抜いたり、夜だけ食べたりすることに拠って、全体のエネルギー摂取量は減少すると思いますが、逆にエネルギー収支がマイナスの時間が長く続くことになると思います。このような場合、飢餓状態において筋肉の分解も促進するホルモンの分泌が促進されるため、体脂肪率の増加につながるかもしれません。そのため、ダイエットするなら1食を抜くより、それぞれから少しずつ減らすのがいいかもしれないです。さらに興味深いのは、炭水化物を抜いたダイエット、なんていうものを聞いたことがあると思いますが、実はこの効果については現在否定されているということです。大事なのはあくまで摂取エネルギー量であって、それを自分の意志で制限できるならば炭水化物をとろうがなにをとろうが効果はあんまり変わらないそうです。ただ、自分の意志では摂取エネルギーを制限できない人にとってはエネルギー量の制限という観点で有効かもしれません。

 ダイエットに例え成功したとしても、油断は禁物です。ダイエットに成功した場合は、少ないエネルギー摂取量の期間が一定以上続いたということだと思います。その環境に体は適応しようとして、基礎代謝量が減少したり、食欲を高める作用を持つホルモンが分泌されやすくなっていたりします。つまり、より痩せづらく、太りやすい体になっていると言えるのです。リバウンドはこのような体の変化によって起きやすくなっています。だから一旦体重が減ったからといって食生活などすべてをもとに戻すと再び体重が増加する恐れがあります。一方、痩せたうえでさらに痩せるためには、今まで以上の食事制限や運動が必要になります。どんどん食事制限や運動量を多くしていくと、女性なら骨粗鬆症、無月経などにつながります。男性ももちろん危険です。これには、国際オリンピック委員会が基準を示したりして対策をとっています。ここまで行く例はそれほど多くはないと思うのですが、ほどほどが大事ということですね。

 食事について加えておくと、腹8分がいいという言葉を聞いたことがあると思います。これは科学的にも支持されていて、腹8分目くらいになるようにエネルギー摂取を制限したサルやラットでは、自由に摂取した個体に比べ死亡率が低下し寿命が延伸することが報告されています。ただ、やっぱおなかいっぱいまで食べたいということもあると思います。そこで、負担が少ない状態でエネルギー摂取量を制限できる方法が考案されています。例えば、午前7時から午後3時までは自由に食事できるけどそれ以外は何も食べない「16:8ダイエット」、1週間のうち数日間だけ間欠的に絶食する「間欠的絶食」があります。ただ、これらは上に述べたようなエネルギー収支がマイナスの時間が長くなるデメリットもあるので一長一短です。
色々述べてきましたがまとめると、やっぱりエネルギー摂取の制限はダイエットに有効です。ただ、摂取する栄養が偏らないようにすることと、食事のとり方に気を遣うとなおよいですよ、といった感じだと思います。

②栄養摂取の話
・炭水化物
 炭水化物は糖質に加えて食物繊維を合わせたものだと教わったと思います。炭水化物がエネルギー源になるというのは知るところだと思いますが、厳密には主要なエネルギー源は糖質です。糖質は、糖類、多糖類を含んだ概念です。ここらへんは知らない人も多いかもしれません。細かな話になるのでざっくりですが、糖類とは、単糖類や二糖類という小さめの分子からなる糖のこと、この糖質と、それより大きい分子からなる多糖類なども含んだものが糖質ということです。糖類オフ、糖質オフという言葉を耳にすることもあるかもしれませんが、細かな違いがあるようです。

 これが運動にどのように影響するのかが気になるところだと思います。まず運動時には、糖質と脂質がエネルギーとして主に使用されます。脂質はイメージ通り、脂肪に蓄えられています。例えば体重60 kgの人が体脂肪率10 %ならおよそ54000 kcalのエネルギーを蓄えていることになります。一方で糖質は、血液中に存在する血糖や、肝臓にグリコーゲン(大事です)という物質になって蓄えられますが、この量は2000 kcal程度とされています。じゃあ脂肪がたくさんあればいいじゃん、と思うかもしれませんが、そう単純ではありません。例えば脂質の利用によるエネルギー産生は、単位時間当たりのエネルギー産生量が少ない(=すぐにたくさんのエネルギーを供給できない)という問題があります。一方で糖質を利用すると速やかにエネルギー供給が可能で、特に高強度の運動でどんどんエネルギーを供給しないといけない場面では、グリコーゲンが大きく活躍します。しかし、糖質は上述のとおり少量しか蓄えられていないため、脂肪で補うことも必要なわけです。

 今述べたように、高強度の運動ではグリコーゲンが主に使用されます。また長時間の運動でもグリコーゲンは利用されているため、当然枯渇すれば運動を持続できなくなります。これがばてるとか、そういう話につながってくるんだと思います。これを防ぐには、シンプルに蓄えられる量を増やす、というのとグリコーゲンを節約できるようにする、という方法があります。

グリコーゲンの貯蔵量を増やす
 グリコーゲンを運動前に増やすことができれば、長時間の運動や高強度の運動に対する持続量が向上します。その方法の一つとして、グリコーゲンローディングという方法を聞いたことはあるでしょうか。これは、一度運動によって筋肉のグリコーゲン量を減らすことで筋肉がグリコーゲンを欲している状態にして、その後3日間ほど間を空けたのちに高糖質食を摂取することで、グリコーゲン量を運動前より高い水準に回復させるというものです。具体的には、試合1週間前に高強度の運動などにより筋肉のグリコーゲン量を低下させる→3日間は普通に食事をする→その後3日間高糖質の食事をとることでグリコーゲン量が超回復→試合のパフォーマンス向上、と言った感じです。個々でのポイントは、運動を行うことです。というのも、運動によって糖の取り込みが促進されるという働きがあるため、運動なしで高糖質の食事のみとってもだめということです。
 さらに最近では新しく簡便なグリコーゲンローディング法が開発されています。普段から十分なトレーニングをしている場合、あえて高強度の運動や3日の普通に食事する期間を設ける必要はなく、試合数日前から高糖質食を摂るだけでも十分効果があるというものです。これなら簡単にできそうですよね。
 ちなみにこのグリコーゲンローディング法は、運動が1時間とかにわたって持続する場合に必要になってくるそうです。器械体操って難しいですよね。間隔を空けながら数分程度の高強度の運動が2-3時間にわたって続くっていう。個人的には、グリコーゲンローディングってほど大げさにやらなくてもいいかなという気もしますが、前日練習も考えるとある程度糖質を多めにとることを意識してもいいのかななんて思います。
 このグリコーゲンローディングを意識しすぎるあまり、糖質ばっかりとっているとまた別の問題が生じます。全体的なエネルギー摂取量増加による体重増加とかはもちろんですが、筋肉のグリコーゲン量を回復させるにはたんぱく質も大きな役割を果たしているので、たんぱく質摂取量が減ってしまうとグリコーゲンの回復が進まないこともあるようです。

グリコーゲンの利用を節約する
 グリコーゲンが節約できれば、当然枯渇しづらくなり運動を持続しやすくなります。そのためにどうしたらいいかというのはとても単純で、持久的トレーニングを行う、それだけです。持久的トレーニングにより脂肪が利用されやすくなるそうです(つまり糖質利用が減る)。特に筋肉のグリコーゲン量が少ない状態での持久トレーニングが有効だそうです。あんまり体操には関係ないような気もしますが、この持久的なトレーニングの効果を高める方法もおもしろかったので紹介しておきます。まず、糖質が多い食事により筋肉に十分グリコーゲンを蓄えた状態を作りそのうえで高強度の運動を行い筋肉のグリコーゲン量を減らす→その状態で低糖質の食事をとり、睡眠をとった後(時間を空けた後)に持久的なトレーニングを行い脂質の利用を高める→高糖質食を摂ることでグリコーゲンの超回復、という流れです。これにより、グリコーゲンを節約できるようになるかつ、グリコーゲン量も増やせるというトレーニング法です。

 ここまで紹介してきたトレーニングからもわかるように、行うトレーニングには必ず特定の食事がついてきますね。食べるものが体を作るという当たり前のことを実感させられます。

 最後に健康と糖質のかかわりを少し紹介します。
 糖尿病は代表的な生活習慣病の一つで、読んで字のごとく糖がかかわっています。先天的な原因を除き、主に運動不足や肥満により筋肉などの血糖の取り込み能力が低下することで血糖値が高い状態が維持されてしまい、糖尿病が引き起こされます。細かいメカニズムは置いておいて、予防や治療にはエネルギー摂取量の制限や運動が効果的です。エネルギー摂取量の制限は、シンプルに脂肪を減らすことが目的です。脂肪が増えると筋肉などにおいて血糖処理能力が低下するとされているため、脂肪が減ることは糖尿病の予防などに効果的です。運動は、消費エネルギーを増やすことや、運動それ自体に血糖の処理を促進する働きがあるため糖尿病に効果的だそうです。
 
・たんぱく質
 たんぱく質とは、簡単にいうとアミノ酸がたくさんつながったものです。摂取されたたんぱく質は、体内に吸収されるときにアミノ酸として吸収され、体内で再びたんぱく質になります。(ちなみに肌がプルプルになるみたいにいうコラーゲンはたんぱく質の一種ですが、かなり複雑な構成をしているためほとんどがアミノ酸として吸収されます。こうなると結局他のたんぱく質と同じ経路をたどることになるので、コラーゲンが肌をプルプルにするというより、たんぱく質の摂取量が適正だと肌が健康になる、みたいな考え方が適切なようです。コラーゲンを摂取すると肌が健康になるというのは、単にタンパク質の摂取量が不足していた状態が是正されたということである可能性があります。)

 筋肉の組成のうち最も大きい比重を占めるのは水分ですが、それを除けばタンパク質が最も大きい比重を占めます。つまりたんぱく質の発現量を増やすことは筋肉の増加につながりうるということです。
我々の筋肉は、分解と合成を常に繰り返しています。筋肉量が変化しないとき、この分解と合成が同じ速度で進むため見かけ上変化がないように見えているのです。つまり筋肉をつけたい、大きくしたいなら分解量より合成量を大きくしなければなりません。筋トレはその作用を高める代表的な手段だと思います。筋トレをとりあえずすれば、筋肉が大きくなると思っている人も多いと思いますが、厳密には違います。筋トレは、実は筋肉の合成のみならず、分解も促進します(分解は運動後24時間後くらいまで、合成は48時間くらいまで促進される)。運動することで筋肉を構成するたんぱく質も一部エネルギーとして消費されるためです。そのため、筋トレ後に適切な栄養素の摂取が行われなかった場合、合成が上手くされず、分解が亢進することも考えられるのです。じゃあどんなふうにたんぱく質を摂取したらいいのでしょうか。

 まず一般的に、トレーニングや運動を日ごろから行っている人たちがどれほどたんぱく質を摂取すればよいのかについては、様々研究がされており、様々な値が提唱されているようですが、一例としては1.6 g/kg体重/日です。1日に体重1 kgあたり1.6gということですね。60 kgの人なら1日に100g位ということでしょうか。多分結構多い気がします。これは筋トレの効果を最大化するための値であり、あくまで分解が促進されないことを目標にするなら、食事摂取基準にて推奨されている値を摂取していれば大丈夫です。男性で1日に65g、女性で50g摂取していれば、筋肉は維持されると考えられるということです。

 次にいつ、どれくらい摂取すべきかについてです。プロテインは運動後30分以内に摂取したほうがいいなんてことを聞いたことがあるかもしれないですが、これは正しいようです。運動直後はアミノ酸の吸収が高まっている状態なので摂取したたんぱく質が吸収されやすくなります。直後であればあるほどいいという研究もあるようですが、少なくとも運動後24時間までは、筋トレによるアミノ酸吸収の高まりは持続されるという結果が示されています。量については、筋トレ後は20gが好ましい、というかそれ以上は効果が無いそうです。一度にとにかくたくさん摂取するよりは、20gを4-5回とか、そんな感じの方がいいそうですよ。また、筋トレ以外の摂取タイミングについて補足をしておくと、朝食時にタンパク質の摂取量が少ないと筋肉量増加の効果が落ちるという研究もあるようです。朝食でのたんぱく質の不足は、一日の総摂取量の不足につながるだけではなく、それ自体が筋肉合成に影響を与える可能性もあるということでしょうか。

 ここまでいろいろ述べてきたのですが、実は量さえきちんと確保していれば、タイミングを重視しなくても長期的には結果が同じという研究があります。つまり、短期的に筋肉を合成したいということで無ければ、タイミングやプロテインの種類などにこだわるよりは、量にこだわった方がいいということです。これは糖質の摂取に関しても同じことが言えます。

・脂質
 ついに脂質まで来ました。
 脂質は、食生活においてそれほどいい立場にあるとは言えませんが、上述のとおり、エネルギー源として炭水化物に並んで使われます。化学の用語における脂肪とは、グリセロールに3つの脂肪酸が結合したトリアシルグリセロールのことを指しますね(化学を履修した人なら聞いたことがあるはず)。この脂肪が、常温で液体なら油、固体なら脂と呼ばれるわけです。ちなみに脂質とは、栄養学での用語ですね。脂肪以外にもリン脂質とか、もう少し広い概念を表すようです。

 脂質が健康面での悪者にされる理由は、一つには過剰摂取による死亡率の増加があります。脂質の中でも動物性脂質の主成分である飽和脂肪酸が心疾患のリスクを高めるとされているようです。一方でオリーブオイルとかは、健康にいいっていうイメージがあると思います。しかし何度も同じようなことを言っているので想像がつくかもしれませんが、やりすぎは禁物です。例えば飽和脂肪酸を極端に避けることで栄養素が偏り、逆に脂肪率が上がったり、オリーブオイルもとにかくたくさん摂取するとエネルギー摂取量が増加し、逆に健康に負の影響を与えることが懸念されます。オリーブオイルについては、通常使っている油を置き換える形での摂取が進められており、追加摂取は推奨されていません。

 健康に良い脂肪はほかにもいくつもあります。例えば牛乳とかチーズに含まれる中鎖脂肪酸という脂肪酸は、抗肥満効果があるとされています。脂肪になるのに、と思うと思いますが、普通の脂肪とは吸収のプロセスが異なり、エネルギーとして消費されやすいそうです。あとは魚に含まれると言われるDHA、EPAはなじみが深いと思います。認知機能の維持に期待がされている物質です。認知症の発症率を低下させる食事も実際に考案されているのですが、そこには赤肉や加工食品、食塩などが多く含まれておらず、未加工、未精製の生鮮食品が含まれています。

 では次に、運動と絡めた脂肪の利用・摂取についてです。糖質の部分で述べた通り、高強度の運動では主に糖質が利用されるため、脂肪を消費するには中強度や、低強度の運動、つまり有酸素運動を行ったほうがいいと言われます。これは確かにその通りで、運動中の脂肪利用量を増やすには中・低強度の運動が適しています。しかし、その場合、その後の食事摂取などで、運動で消費したエネルギーと同じエネルギーが摂取された場合に、体脂肪量は減少しないという結果が出ています。体脂肪量を効果的に減らすには、高強度の運動を短時間、頻回で繰り返すというインターバルの運動があります。これは、高強度の運動中には脂肪は利用されづらくなりますが、高強度の運動後(運動をしていないときでも)は脂肪の利用がされやすくなることや、高強度の運動後は食欲が抑えられ摂取カロリーの低下が見込まれることから総合的には体脂肪が減少すると考えられています。

 次に脂質の摂取の仕方についてです。脂質は体脂肪に大量に蓄えられており枯渇する心配がまずないため、むしろ利用を促進する研究が多くなされています。特に持久的な運動では、エネルギー利用の脂肪への依存度を高めたほうが、エネルギー源が枯渇せず運動を持続できると考えられます。そのためいかにして脂質の利用を高めるかということが問題になるのですが、とてもシンプルで、とにかく脂質中心の食生活にすることです。高糖質食を摂ると体が糖質を蓄えられるようになるのと同じように高脂質食によって体に適応が起き、脂質をエネルギー源としてより利用するようになります。超高脂質食はケトン食と言われるのですが、残念ながらこのケトン食は問題が大きいです。器械体操には適していないと思いますし、トップアスリートしか行えないくらいのものだと思います。例えば、脂質ばっかで糖質を摂取しなかったら当然、体が適応するまでの数週間は糖質不足によるエネルギー不足が起きやすくなり疲れやすさを感じるようになることや、脂質への依存が高まることで糖質が利用されづらくなり、高強度の運動はできなくなる(高強度の運動は糖質によって保たれるため)という最大の問題もあります。それでもケトン食を摂取して、長時間の運動を可能にしたいというのは、一部のアスリートだけって感じがしますよね。ただ最近は、そこまで極端にやらずに、やや脂質が多め、くらいの食事をとることでもある程度脂質の利用が高まり糖質の節約ができるという研究もあるようです。試したい人は試してもいいかもですが、数週間以上続けるのは大変そうです。

ここまでやっとの思いで書いてきたんですけど、なんかあんまり需要なさそうな文章になってしまいました。うーん、なんか教科書に書いてある内容の中で、科学的な根拠とか省いて役に立ちそうな結果論だけ書いてもよかったんですけどなんかそれもなぁって思ったら色々書いてしまいました。自分の解釈の間違いや読み違えがあるかもしれないので有識者の方、間違っている部分があったら指摘をお願いします。

 食事までストイックに気を遣っている人がどれほどいるかはわかりませんが、卒部ブログでも百花先輩が言っていたようにコンディションの管理は大事なので、自分ももっと気を付けたいと思いました。食事に限らずできることはたくさんありますが、全然全部やり切っているとは言えないので。

 もうすぐ合宿です。合宿は楽しみですが、そのあと1週間で試技会ということに最も驚きました。あれ、オフシーズン、技練期間短すぎない?びっくりです。後悔ないように体操をやり切るのは今年の目標の一つなので、頑張ります!