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東大体操部部員日記

東大体操部の部員による日記です。

大逆手が怖い

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先日ふと思い立って、駒場から代官山を抜けて恵比寿の方まで足を伸ばしてみたんですが、代官山って本当に素敵な街なんですね!
神泉の駅前を通り過ぎて代官山にさしかかったあたりで急に開放感を覚えて、私はふと空を見上げたんです。人工的なのに建物と風景が調和していて、人も車も多いのに雑然とした感じもなく、学校もお店も立ち並ぶ建物全部がおしゃれに見えて…!思わず、うわあ、うわあ、と声を上げてしまいました。

その時はなぜこんな印象を受けるんだろうと不思議に思っていましたが、あとになって気がつきました。
電線がほとんどないからですね。
無電柱化が街の景観をよくするってこういうことなのね!と身をもって体感し、いつか書いた英作文で無電柱化に反対していた自分に教えてあげたいと思いました。

いけない、こんなことを言ったら、道路工事のお仕事をしている人に「どれだけ大変だと思ってるのっ」と怒られてしまいます。
そういえば先日、夜間の道路工事でピザを切るカッターみたいなものを使ってアスファルトに切れ込みを入れていたので、何をしているのかと気になり近づいて凝視していたら、工事中のお兄さんたちに変な顔をされてしまいました。

夜道って街が普段と違って見えるので色々なことに気づきますよね。
夜間の大掛かりな道路工事による通行止めを不便に思うからこそ、日中快適に道路を使えるのは夜中に働いている人がいるからなのだと気づけるし、真夜中の無人の交番に不安を覚えるからこそ、警察官は市民の安全と安心のために働いているんだなあと再確認できます。
社会人ってほんとにかっこいいです。どんな仕事にせよ、必ず誰かの為になっていて。

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2年生3人が揃いも揃ってクレイジーなブログを書きましたね。
ところで改札を強行突破したのは誰でしょう。たしか凛さんが自己紹介ブログの最後に「次はさっこです!」と言っていましたから、さっこさんなんですかね。
匿名投稿のブログもなかなかワイルドで憧れます。

ということで、私が2年生の塚田です。
同期にわがままを言って順番を飛ばしてもらいました。非常に助かりました。
それなのにブログの更新期限を守れなくてごめんなさい。後輩にまで「書くべき」と言われてしまうとは恥ずかしい限りです。
原稿は年明けから書き進めていたんですが、書いては消してを繰り返していたらなかなかまとまらなくて。
最近言葉を扱うことに対して以前より臆病になっている気がします。
このブログも、私が感じたことをそのまま綴っているのであまり好ましくない表現をしていたらごめんなさい。

なんにせよ、自分の文章を公開することへの恐怖をある程度拭う時間を与えてくれた同期と一圭に感謝です。
お礼に、荷物が多くて困っているもも姉に私からアドバイスです。
何を隠そう私も少し前までは、特大サイズのリュックに手提げとサイドバックの3個持ちで、「登山するの?w」「何泊するの?ww」とみんなに笑われる、(2つの意味で)ヘビーバックユーザーだったんですから。
いいですか?一度しか言わないのでよく聞いてくださいよ。

「入れ物が小さければ、荷物は少なくなります。」

入らないものは入れられないんですつまり!…入れ物が小さければ、荷物は少なくなるんです。

どうやら私が2年生のクレイジーな流れを断ち切ることになりそうですね。
最近の出来事を普通に書こうと思います。

1)最近の関心ごと
そういえば、進振りの話をしていなかったことを思い出しました。

昨年9月の進学先振り分けで後期教養学部統合自然科学科統合生命科学コースに内定が決まりました。M1の安田彩夏さんの直属の後輩です!
学科同期には前期の同クラや海智の元同クラもいたり、唯一の女子の同期はメルヘンチックな変わった子だったりして楽しいです。
やまけんとも同じ学科なので週3くらいで顔を合わせますが、背が伸びた気がすると言っていました。頭の手術も無事終わったようで、元気そうです。

学科での勉強の内容は、主に脳神経と認知の領域、それから身体とスポーツです。
授業はとても楽しいです。
ここ1週間ほどで提出しなければならないレポートが4本もあって、始める前は気が重かったのですが、取りかかってみるとどの分野もどの論文も面白くて、思わず関連論文を次々と読み漁ってしまいました。
直近読んだ論文で非常に考えさせられたのは、時間知覚に関する論文ですね。
聴覚や視覚と異なり、脳には時間を知覚する皮質はないはずなのに、なぜ時間が長いとか短いとか感じるのかっていう話です。
科学の話をしているはずなのに思考がだんだん哲学寄りになってくるのでちょっと困っています。
時間の流れは存在するのか。過去や未来などというものは存在するのか。我々は時空にまたがる4次元的存在なのか。だとすれば死とは何か。
そんなことを考えていると日常のタスクが手につかなくなるので、自転車に乗っている時以外は考えないようにしています。

最近の社会の動きで言うと、人工妊娠中絶薬が日本でも薬事承認の見通し、というのが個人的にセンセーショナルなニュースでした。
中絶や赤ちゃんポストをめぐる問題については母とよく議論するので色々と思うことがありますが、詳しい話は割愛します。

あとは、今自動車学校に通っていて第2段階の路上教習真っ盛りなんですが、教習原簿を眺めるのが楽しいです。
カリキュラムの組み方が生徒の目にも非常に明確でまた無駄がないので、次の時限で学ぶべきポイントを意識して教習に臨めるのが楽しいし、卒業に向けて自分が一歩ずつ進んでいる感じが可視化されているので見ていて飽きません。
指導員の方もドライバーの育成のためにとても親身になってくれて、自動車学校って素敵な場所だなあと思いながら合宿免許のごとく毎日通っています。
実は12月1月にサボりすぎたせいで教習期限がやばいです。絶対取ります。

もう一つ取り立てて言うとしたらあれですね。
最近節約のためにおにぎりを作るようになってから、おにぎりの美味しさに気がつきました。
とりわけ、作りたてのホカホカではなく、冷えて固まったものが好きです。
冷やご飯って、家でもお店でもなかなか食べないから気づかないんですけど、美味しいですよね。

以上です。

2)革命期
最近いろんな技が練習できるようになり体操がとても楽しいです。
直近の特に心躍る体験としては、振りとびとスタン宙に革命が起きました!
この感動を伝えたいんですが、技のポイントを書いても伝わらない気がします。
こういうときに便利なのが比喩ですよね。活用します。

これらの出来事は、部活中のわずか数10分の間に起き、首謀者は次のような言葉を残して去って行きました。(これは比喩です)
2023年1月24日19:15 振りとび革命   
 首謀者の言葉:「あなた何してるの?その扉は押しても引いても開かないわよ。スライドドアなんだから。」
2023年1月24日20:10 スタン宙革命   
 首謀者の言葉:「ふっ…鉛筆ってのはな、握りしめなくてもいい字が書けるんだぜ。」

こんな感じです!

ただし、良いことがあれば悪いことがあるのが人生で、モチベーションの高いときほど怪我をするのが私です。
そのため、上手くいったときも調子に乗らないよう意識して感情を抑えているのでリアクションが薄いと言われがちな塚田です。

年明けからの1ヶ月間で既に突き指と足首の詰め直しをしているので、合宿に向けてコンディションを整えていきたいところであります。

3)勝負の日が終わった
先週の日曜日に、女子審判資格1種認定試験を受けてきました。

1種取得にあたっては、毎年1月末に2日間にわたって実施される講習会と認定試験を受けることが必須です。
試験内容は理論試験と実技試験からなり、理論試験は主にルールブック上の記載の確認とシンボルマークの読み取り及びDスコアの計算、実技試験は各種目演技4本ずつ動画を見てDスコアとEスコアをそれぞれ算出する、といった感じでした。

私も土曜日に講習会、日曜日に試験を受けてきたのでその時のお話をしようと思います。

試験当日の2日目は、杉原愛子さんや村上茉愛さん、宮川紗江さんといった名立たる女子体操選手たちが同じ教室で受験していたのが個人的にハプニングでしたが、試験結果をさておけば平穏無事に過ぎてゆきました。

1日目は色々あって楽しかったので聞いてください。

1日目のこと
会場は国士舘大学世田谷キャンパスで、自宅から自転車で90分とかからない場所だったので自転車で行きました。
多摩じゃない方の国士舘大学に初めて行きましたが、比較的都会っぽさの薄い閑静な街並みの中に近未来的な校舎が立ち並ぶ様はまさに「威風堂々」という言葉が似つかわしく、キャンパスに辿り着いた私は10秒ほど建物を見上げて圧倒されていました。

これまたきちんと整備された地下駐輪場に自転車を停めると、方向音痴の自覚のある私は、同じ場所に向かっていそうな女性に声を掛けて同行させてもらうことにしました。
私たちは、「どちらからいらしたんですか?」とか段違い平行棒のEスコアがとれなくてやばいとか色々話しながら会場となっている建物を目指していました。
彼女が、「来年は試験が西開催になってしまうから今年取ってしまいたんですよね」と言ったので、私が驚いて詳しく尋ねると、日本体操協会の主催だから1年おきに開催地も西と東を行き来するのだとのことでした。
それまでのほほんとしていた私は、全国の受験者が一堂に会すると知って突然緊張してきました。
(ちなみに詳しい方によると、男子の受験会場は西日本と東日本に1カ所ずつ設置されるそうです。ずるいです。)

講習会は、特に真新しい情報などはなく、採点上の注意点と採点練習みたいな感じで進んでゆきました。
もうとにかく段違い平行棒の演技が早すぎて、Dスコアだけとるならまだしも、シンボルマークを描きながら減点までしなさいなんて無理難題すぎてもうだめだと泣きそうになってました。

とはいえ、いろんな選手の演技を見るのは純粋に楽しかったです。
私はとりわけ中国選手の段違い平行棒と平均台の演技が好きです。独特な構成と技の組み合わせ、それからあんなに小さな体でも美しい体線と手足の長さを以って目一杯自分を表現している姿がたまりません。
その日も段違い平行棒の採点練習で中国選手が登場したんですが、一つ一つの技の実施が本当に正確で見とれてしまいました。

あまりにも減点できるところが少ないのでぼーっと見ていたら、急に大逆手前方車輪1 1/2ひねりがものすごい角度で流れていって虚をつかれていたそのとき…
私の頭を悩ませていた疑問を誰かがふと口にしました。

「大逆手と逆手ってこの角度からどうやって判別するの?」

真横からだと手元が見えにくくて、2回みても逆手なのか大逆手なのか自信が持てないことがあるんです。
大逆手は多くの場合、同じ技を逆手でやるよりも難度が一つ上がることが多いので、必ず正しく判断しないといけません。
また、中国選手はその多くが大逆手車輪を演技構成に組み込んできます。逆手前方車輪から片手軸1回ひねり(E)〜大逆手前方車輪から片手軸1回ひねり(E)〜イェーガー宙返り(D)、とかが定番です。
そして、注意深く見ないと難度が正しくとれないような演技構成は試験に出題されるに決まっているのです(という持論)。
というわけで、逆手と大逆手の判別方法は私を含む多くの受験者たちの関心の集まるところだったようです。

一緒に講習会を受講するような仲間もいなかった私が話の続きに聞き耳を立てていると、どうやら
 「肩がちょっと変だったら大逆手じゃない?」「うんうん、きっとそうだ」
という結論に至ったらしく、私はそれに便乗することにしました。

みなさん、「肩がちょっと変だったら大逆手」です。よろしくお願いします。

他に困ったこととしては、ゆかの音楽に声が入っていてずっとタカタカ言っていたので(ルール上、意味をなしていない言葉なら人の声が入っていてもよいことになっています)、それが気になりすぎて全く演技内容が頭に入ってきませんでした。

そんなこんなで不安はありつつもつつがなく終了した1日なのでありました。

試験の手応えは、「非常に微妙」です。
理論試験と実技試験のDスコアはそれなりによくできたんじゃないかと思うんですが、Eスコアが撃沈でした。
普段大会で審判するときは、全体の印象を見て「今の演技だったら7点後半くらいでしょう」みたいな調節ができるのですが、試験となるとそんなことも忘れてしまって、ただ演技中にちょんちょん付けた減点を足し合わせて1分の制限時間でどうにかそれっぽい点数を算出することしかできませんでした。
ちなみにちゃんと大逆手も出題されました(と、私は思っています。そうであってくれ。)

あと、講習会や試験に向けた勉強会全体を通して感じたことがあります。
1種審判員は絶対的な雲の上の存在ではないんだなあ、ということです。
講習を担当してくださったカテゴリー審判の方が、「自分も1種を取得してから大会での採点中にこんな失敗をしたから気をつけてね」とか「皆さんも1種を取ったら積極的に審判活動をしてたくさん経験を積んでくださいね」とおっしゃっていたり、三校戦で審判をしてくださった先生に後日審判のお礼を言ったら「こちらこそありがとう。いろんな子の演技が見られてとても楽しかったです。」と言ってくださったりしたのを聞いて、審判はただ選手の演技を評価するだけの存在というわけではなく、選手から学ぶこともたくさんあって、そうやって成長していける存在なんだなあと思いました。
そう考えるとこれからのことも少し楽しみになってきますね!

まだ合格したのかはわからないのであんまり偉そうな持論を述べるのも恥ずかしいなあと思っていたんですが、私は体操をすることや教えることと同じくらい審判活動も大好きなので、想いが溢れてしまいました。
受かってるといいなあ…

余談が長くなりましたが、今回のブログの本題は次章です。

4)これからのこと、それからのこと
もうひと月ほど前のことになるんですが、自分の中では少し大きな決断をしました。
そんなふうにいうほど大それたことではないんですが、進学先内定を辞退しました。自主留年します。

3ヶ月間悩んで、色々な人に相談しながら考えて出した結論なので後悔はありませんが、さすがに届出フォームを教務課に送信する時は、ボタンを押す前に一瞬手が止まってしまいました。
私は小学校から中学高校、大学受験に至るまで、周りの大人が指し示してくれたある意味決められたコースのようなものをずっと歩いてきたもので、ここで順当な進学•就職コースから外れてしまうことをそれなりに恐れていたみたいです。

でも今は、初めて自分で選んだ道を歩けるような心地よい緊張感があります。
背中を押してくれた人たちやわがままを許してくれた両親にはとても感謝しています。

今私は、何もない自分に漠然とした不安を抱えています。このままでは前に進めないと思ったので、立ち止まることにしました。

私はこれから自分を変えようとすると思いますが、1年後の私も10年後の私も、きっと何も変わらないただの塚田颯子です(これは私を初めてロードバイクに乗せてくれた人の受け売りですが)。
それでも、誰かと比べてとか、過去の自分と比べてではなく、ただそのときの自分のことを少し好きになれていたらいいなって思います。

そういうわけで、4月からの私も2年生です。でも部活では3年生です。あれれ〜?って言われちゃうやつです。
でも、良くも悪くも私はずっと私なので、みんなあれれ〜?って言いながら今まで通り接してくれたら嬉しいです。
これからも、よろしくお願いします。

まだまだ2年の塚田